本文へ移動

報告書

露地野菜栽培の国内資源を活用した技術実証に取り組んでいます

農業生産法人である弊社は、安定した農業所得の確保に向けて、園芸作物の作付を進めており、弊社が展開する熊本県阿蘇郡高森町をはじめ周辺町村で、キャベツやばれいしょの栽培を拡大させています。今後、更なる増産を目指すこととしていますが、近年の国際情勢に左右されて、肥料価格の高騰により生産コストが上昇するばかりか肥料供給も不安定となり、農業経営リスクが増大しています。
 
従来使用している肥料の原料は、海外由来の原料が主体であり、価格や供給が国際情勢に左右されやすいことが喫緊の課題となっています。そのため、弊社では、国内肥料資源活用総合支援事業を活用して、国内資源を活用した肥料に転換を図ることを目的に、弊社生産圃場において栽培実証に取り組みました。
 
具体的には、海外由来の肥料に比べて安価で、国内で発生した有機性汚泥・植物性残さを原料とする汚泥発酵肥料エコ コンポスト(商品名ドロンパ)の活用です。海外由来の肥料の一部を汚泥発酵肥料に置き換え、弊社の圃場で実証したところ、慣行の肥料に比べて、収量・品質は同等の結果となり、海外由来の肥料の代替としての効果が確認できました。
 
また、国内資源由来肥料を使用した資源循環による環境負荷低減効果として、以下のような点が挙げられると考えます。
  1. 化学肥料の使用削減:国内資源由来肥料の使用により、化学肥料の必要量を減らすことができ、その生産過程での温室効果ガス排出量の削減に寄与します。
  2. 循環型社会の推進:下水浄化センターにおける汚泥、食品工場・飲料工場における植物性残さなどの有機質肥料の活用により、資源の有効利用を促進し、循環型社会の構築に貢献します。
  3. 土壌の健全性維持:化学肥料の代替として、環境に優しい汚泥発酵肥料「ドロンパ」を使用することで、土壌の健全性を維持し、長期的な農地利用が可能になります。
これらの効果は、持続可能な農業の実現に向けて重要な役割を果たし、環境への影響を考慮した農業生産が求められる中で、ますます注目されると思います。
 
弊社では、今回の実証結果をもとに、国内資源を活用した肥料に転換を進めることを通じて、農業所得の確保を図るとともに、国内資源の循環によって環境負荷を低減させる取り組みを継続することとしています。

○国内資源由来肥料を使用した資源循環による環境負荷低減効果イメージ

TOPへ戻る